2024年4月 2日 (火)

自作バンデグラフ起電機

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 今月から自宅警備会社SEとして勤務しているのですが,相変わらず高校物理関係の工作をしています。
数か月前から少しずつ作っていたバンデグラフ起電機(ヴァンデグラフ起電機)がとりあえず完成したのでご紹介します。
 上部ローラーはアルミパイプ,下部ローラーはテフロンテープを巻いたサインペンの軸を使っています。ベルトはホームセンターで買った太い輪ゴムです。
 はじめは「正に帯電しやすいアクリルパイプと負に帯電しやすいテフロンがいいかな」と思って作ったのですが,アクリルパイプよりアルミニウムパイプの方が強く帯電する感じです。帯電列を見るとアクリルとアルミニウムの位置は近いところにあります。
構造の模式図はこんな具合 ↓
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 剥離で生じた静電気をゴムベルトで運び,上下の集電子でそれぞれ拾い集めます。集電子はベルトに接触しない方が良い感じです。

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 モーターはパーツ箱にあったものです。6Vかけて回してますが,たぶん12Vまで大丈夫なモーターだったと思います。
集電子で集めた負電荷は装置を乗せてあるアルミ板に送り,さらにこのアルミ板に床に広げた3メートルほどのビニール線をつないでます。これがカウンターポイズ(仮想接地)となって,発電性能がアップします。

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 それほど高速回転するわけではありませんが,とりあえずボールベアリングも使っています。

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 集電子で集めた正電荷はアルミ線を通して上にかぶせるアルミ缶や2個のボウルで作った中空金属球に送ります。透明円筒は百均セリアで買った500mLプラボトルです。

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 モーターを回すと,写真のように3cm程度の距離で放電します。3万ボルトくらいの電圧が出ているということでしょうか。負に帯電している金属球はコレです。では,動画でどうぞ ↓

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2023年11月28日 (火)

ドライアイス不要の霧箱 (4)

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 ダイソーで売ってる保冷剤(税込110円)を使って霧箱を作ってみました。
東京学芸大の窪田美紀先生・鎌田正裕先生がご考案になったもののようですが,参考にしたのはこのPDF
今まで作ってきた「ドライアイス不要の霧箱」のうちで最も安価なものです。これはオススメ。
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 アルミ板は片面を黒く塗装し,大型のダブルクリップを使って保冷材に固定します。これを冷凍庫に入れて,しっかり凍らせます。うちの冷蔵庫はPanasonicの普通のものですが,冷凍庫は-18℃まで冷やせます。
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 ダイソーのコレクションケースで作ったチャンバの内側にフェルト布を貼って,エタノールで濡らします。
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 凍らせた保冷剤上のアルミ板に線源を乗せてチャンバをかぶせ,チャンバの上面をお湯で温めて2~3分待ちます。チャンバ内のエタノール気体が過飽和状態になると,放射線の飛跡が見えるようになります。

ドライアイス不要の霧箱(1)
ドライアイス不要の霧箱(2)
ドライアイス不要の霧箱(3)

 

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2023年10月26日 (木)

レンツの法則のデモンストレーション

 ぼんやりAliexpressを見てたら,こんなものを発見しました。
「Lentzの爪のデモ」なんて わけの分からないことが書いてありますが,どういうことなんでしょうなw
law → claw → 爪 という順序で間違って翻訳されたような気がしますが,まあそんなことはどうでもよろしい。
これはレンツの法則のデモンストレーションとしてシンプルですぐれた教材ですよね。Aliexpressで買うと高いので,うちにある材料で作ってみました。

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ホームセンターで売ってる幅10mmのアルミ平棒を曲げて,こんな具合にでっちあげました。真ん中の軸受けは,アルミ製の鉛筆キャップで作ってあります。

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一方はちゃんと輪にして,

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もう一方は輪の一部が切れています。ねじ類は磁石にくっつかないように真鍮製を選びました。

ネオジム磁石のような強力な磁石を近づけてやると,ちゃんと輪になってる方は外から入ってくる磁場の変化を妨げる向きに誘導電流が流れて動きますが,輪が切れてる方は反応しません。カンタンな構造だけど,こういうのが高校物理の授業に必要なんですよね。

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2023年8月18日 (金)

100均のセリアで売ってる テンセグリティ を作ってみた

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  facebookの情報で,「100円ショップのセリアテンセグリティの組み立てキットが売ってるゾ」という情報を目にしたので,さっそく手に入れて作ってみました。
 薄くて軽い合板とタコ糸のセットですが,ハサミさえあれば作れるのが素晴らしいですね。
半年くらい前にこのブログで「反重力? テンセグリティ」という記事を書いたときに大小さまざまなサイズのものを作ってみましたが,この工作は糸の長さの調節がキモです。初めて作る人は(普通は初めてか笑),ちょっと苦労するかもしれません。
 あと,テンセグリティ工作のベテラン(笑)から言わせてもらうと,2つのパーツをつなぐ真ん中のヒモは組み立て説明書にあるように最初に結ぶんじゃなくて,一番最後にしたほうが良いと思います。

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こんな具合に完成しました。タコ糸はもう少し細い方が見た目が良いかも。

 

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2023年6月 7日 (水)

静電気チェッカーを使った 電気盆の実験

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 高校物理ではおなじみの電気盆の実験です。
ティッシュペーパーで擦って帯電させた発泡スチロール板の上で上下させるアルミ皿に誘導される電気の正負を調べるのに,従来はネオン管を使っていました。しかし,演示実験としてこれを教室で見せる場合,「ネオン管が小さすぎて遠くからだとよく見えない」という深刻な問題があります。
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 そこで,前回作った「静電気 正負チェッカー」の出番です。明るく輝くLEDは教室の後ろの方からでもよく見えますから好都合です。電気の正・負が分かればいいだけですからLEDは赤・青 各1個あれば十分です。
静電気チェッカーでアルミ皿の電気の正負を調べながら この実験を行うと,金属内の自由電子の動きが手に取るように分かりますよ。

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2023年6月 5日 (月)

静電気メーターを使った実験

 2023年4月30日(日)に名古屋で行われた「科教協東海ブロック 理科実験お楽しみ広場」に参加し,楽しく勉強してきました。
特に魅かれたのは愛知物理サークル・田中英二先生の「新かんたん静電気メーターでできること」というレポートと実験紹介でした。
高校物理では箔検電器でやっている演示実験の多くをこの「静電気メーター」に置き換えることが可能です。箔検電器だと,開いてる箔の正負は目で見ても分かりませんが,この「静電気メーター」だとLEDの色で一目瞭然です。
 田中先生の実践は以前から知っていたのですが,今回直接教えを乞うて この装置をマネして作ったのでご紹介します。

 とは言っても,田中先生が使っている電子部品はディスコンのものがあったり,チップ抵抗みたいな極小サイズのMOSFETだったりで,そのままマネして作るのは大変そうでした。
でも,「MOSFETのG(ゲート)を静電気の正または負の電位で開いてD(ドレイン)とS(ソース)のスイッチを入れる」という原理が分かったので,ネットの力も借りながらこんな回路をでっちあげて試してみました。
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 こんなのでも,ちゃんと静電気の正負が分かりますが,トランジスタを入れてちょっとだけ高感度にしたのがコレ↓
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ユニバーサル基板上に部品を適当に配置してこんな形になりました(左のが高感度型)。
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 さらにLEDを正・負 各5個並べたものは,この方の作例をマネて,こんな回路で2台作ってみました。(パーツはすべて秋月電子通商で手に入ります)
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 では,動画をご覧ください。
(1) 静電気メーターで帯電列を作ろう
(2) ストローを紙袋から引き抜くと,紙袋は正に,ストローは負に帯電する。正負は等量。
(3) 静電誘導の実験
(4) 光電効果の実験(紫外線灯はハンディーパーソナル除菌ライトMEH-65 です。

 

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2023年5月 5日 (金)

30年前にPC-9801で作った定常波のアニメ

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 30年前にPC-9801で作った高校物理教育用アニメーションご紹介します。これが4つめです。
互いに逆向きに同じ速さで進む波長・振幅の等しい正弦波が重なると合成波はその波形がどちらにも進行せずその場に止まって振動しているように見えます。これが定常波(定在波)です。英語で言うと standing wave 。「立ち止まっている波」って感じでしょうか,うまい表現ですね。
 高校物理の授業では,互いに逆向きに進む正弦波の絵を鉛筆を使って手書きで合成し,場合によってはこれをパラパラ漫画にして自分で動かしてみるのですが,この過程をパソコンにやらせたものです。
1990年頃のパソコンはCPUクロックが8MHz,メモリが640KBしかなかったんですよ。若い人には信じられないかもしれませんがw
もちろん,手書きで2つの正弦波を合成することは大きな意味があるので,やらせたほうが良いです。このアニメーションはその作業の後に「まとめ」として見せていました。

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2023年4月30日 (日)

30年前にPC-9801で作った「波の重ね合わせ」アニメ

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 30年前にPC-9801で作った高校物理教育用アニメーションご紹介します。これで3つめになりますね。

 上のような図はどんな教科書にも載っており,三角波で重ね合わせの作図をさせたりするのですが,やはり動かないとピンときません。もちろん,ウェーブマシンを使って見せたりもするのですが,あっという間にすれ違っちゃうので困ります。

 このアニメーションでも比較的早くすれ違ってしまいますが,PC-9801でこれを見せていたときには「STOPキー」で止めて,じっくり観察させていました。下の動画もときどき止まりますが,手動で止めているからです。
「山と山の重ね合わせ」と「山と谷の重ね合わせ」の2パターンの動画をご覧ください。

 ここからは老人の繰り言ですが,ネット上にある物理教育のシミュレーションやアニメーションにはロクなものがありません。
おそらく,これらを作っている人が生身の生徒を相手にして授業をしたことがないからでしょう。要するに現場の物理教師のニーズが分かっていないのです。
そんななかで,昨年度1年間だけ同勤した20代の物理教師が作っている Junchi Lab の作品は素晴らしいものです。フィゾーの実験のアニメなんてのは本当に出色の出来です。やはり生徒の実態の分かっている人は違います。

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2023年4月29日 (土)

30年前にPC-9801で作った縦波の横波表示アニメ

 前回に続いて,30年前にPC-9801で作った高校物理教育用アニメーションをご紹介します。

 高校物理の教科書には必ず「縦波の横波表示」という学習項目があって,媒質の振動方向と波の進行方向が同じ波(縦波)を媒質の振動方向と波の進行方向が垂直な波(横波)に描き直す作業を行います。
 縦波を横波に描き直すとき,多くの場合 媒質の右への変位を上への変位へ,左への変位を下への変位に変換します。そういう図が教科書に描かれているのですが,止まった絵だとどうもピンときません。そこで,パソコンの力を借りて動かしてみよう,ということです。

 まずは,静止していた媒質の左端が単振動を始めて,時間が1.5周期 経過するまで(波が1.5波長進むまで)のアニメーションです。 
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 続いて,連続的な縦波の正弦波を横波表示したものです。横波表示された波形で「どこが密で,どこが疎なのか」を確認するためにときどき「手動」で動画を止めています。ご了承ください。
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 今どきのパソコンを使えば,この程度のものは簡単に作れるのでしょうが,30年前にこのクオリティのアニメーションを作って授業で使ってたってのが凄いことなんですよ(ドヤ顔) w

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2023年4月23日 (日)

30年前にPC-9801で作った気柱共鳴アニメーション

 僕は授業でパソコンを使うことはほとんどないのですが,「気柱が共鳴してるとき,空気はどう動いているのか」なんてことはパソコンでアニメーションを作って見せるしかありません。もちろん,本物の気柱共鳴実験装置に振動してる音叉を近づけたりする実験はやるんだけど,空気がどう動いてるかなんて見えないですからね。

気柱共鳴のアニメーション(縦波表示と横波表示)
 今から30年くらい前PC-9801RXのN88-日本語BASIC (MS-DOS版)で作った気柱共鳴アニメーションをご紹介します。
現在と比較したら想像もできないくらい低スペックなパソコンでなめらかに動くアニメーションをつくるのは大変なことです。計算も描画も遅くて,そのままでは使い物になりませんが,もっさり描いた9枚の絵をビデオメモリに格納しておいて画面を切り替えればなめらかに動いて見えるようになります。パラパラマンガの原理ですね。
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 3倍振動の定常波のアニメーションですが、上段が教科書によく描いてある横波表示のもので,下段が縦波(疎密波)表示したものです。アニメーションを見ると定常波の節で空気の疎密変化(気圧変化)が最も大きいことがよく分かります。「定常波の節で音が最も大きく聞こえる」というのも納得!でしょう。

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 これが5倍振動です。隣り合う節が交互に疎密を繰り返すのが分かってなかなか愉快です。
30年前は教室にでかいデスクトップのPC-9801を持って行ってこの動画を生徒に見せてました。今だったら「パソコンが表示する動画をキャプチャしてファイルに落とし,タブレットで見せる」ところですが,当時のパソコンでは動画キャプチャする方法がなかったので,手軽に持ち歩くためにはディスプレイの前にビデオカメラを置いて画面を撮影(!)してビデオテープにするしかありませんでした。信じられないかもしれませんが,本当の話ですw 画像がボケているのはそういう理由からです。

 VHSのビデオテープデッキが学校からも廃棄されてしまった15年くらい前にビデオテープからDVDに落として使ってたのですが,7年くらい前にMOVファイルに変換してからはiPadで見せるようになりました。で,つい先日 動画編集のワザを覚えたので,こうしてブログやYouTubeのネタにしているというわけです。
画像はボケてても内容的には今でも通用する優れた教材だと自負しています。どうでしょうかね(^^)

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