2023年8月18日 (金)

100均のセリアで売ってる テンセグリティ を作ってみた

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  facebookの情報で,「100円ショップのセリアテンセグリティの組み立てキットが売ってるゾ」という情報を目にしたので,さっそく手に入れて作ってみました。
 薄くて軽い合板とタコ糸のセットですが,ハサミさえあれば作れるのが素晴らしいですね。
半年くらい前にこのブログで「反重力? テンセグリティ」という記事を書いたときに大小さまざまなサイズのものを作ってみましたが,この工作は糸の長さの調節がキモです。初めて作る人は(普通は初めてか笑),ちょっと苦労するかもしれません。
 あと,テンセグリティ工作のベテラン(笑)から言わせてもらうと,2つのパーツをつなぐ真ん中のヒモは組み立て説明書にあるように最初に結ぶんじゃなくて,一番最後にしたほうが良いと思います。

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こんな具合に完成しました。タコ糸はもう少し細い方が見た目が良いかも。

 

  

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2023年7月16日 (日)

30年前にPC-9801で作った「波の重ね合わせ」アニメ

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 30年前にPC-9801で作った高校物理教育用アニメーションご紹介します。これで3つめになりますね。

 上のような図はどんな教科書にも載っており,三角波で重ね合わせの作図をさせたりするのですが,やはり動かないとピンときません。もちろん,ウェーブマシンを使って見せたりもするのですが,あっという間にすれ違っちゃうので困ります。

 このアニメーションでも比較的早くすれ違ってしまいますが,PC-9801でこれを見せていたときには「STOPキー」で止めて,じっくり観察させていました。下の動画もときどき止まりますが,手動で止めているからです。
「山と山の重ね合わせ」と「山と谷の重ね合わせ」の2パターンの動画をご覧ください。

 ここからは老人の繰り言ですが,ネット上にある物理教育のシミュレーションやアニメーションにはロクなものがありません。
おそらく,これらを作っている人が生身の生徒を相手にして授業をしたことがないからでしょう。要するに現場の物理教師のニーズが分かっていないのです。
そんななかで,昨年度1年間だけ同勤した20代の物理教師が作っている Junchi Lab の作品は素晴らしいものです。フィゾーの実験のアニメなんてのは本当に出色の出来です。やはり生徒の実態の分かっている人は違います。

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2023年6月 7日 (水)

静電気チェッカーを使った 電気盆の実験

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 高校物理ではおなじみの電気盆の実験です。
ティッシュペーパーで擦って帯電させた発泡スチロール板の上で上下させるアルミ皿に誘導される電気の正負を調べるのに,従来はネオン管を使っていました。しかし,演示実験としてこれを教室で見せる場合,「ネオン管が小さすぎて遠くからだとよく見えない」という深刻な問題があります。
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 そこで,前回作った「静電気 正負チェッカー」の出番です。明るく輝くLEDは教室の後ろの方からでもよく見えますから好都合です。電気の正・負が分かればいいだけですからLEDは赤・青 各1個あれば十分です。
静電気チェッカーでアルミ皿の電気の正負を調べながら この実験を行うと,金属内の自由電子の動きが手に取るように分かりますよ。

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2023年6月 5日 (月)

静電気メーターを使った実験

 2023年4月30日(日)に名古屋で行われた「科教協東海ブロック 理科実験お楽しみ広場」に参加し,楽しく勉強してきました。
特に魅かれたのは愛知物理サークル・田中英二先生の「新かんたん静電気メーターでできること」というレポートと実験紹介でした。
高校物理では箔検電器でやっている演示実験の多くをこの「静電気メーター」に置き換えることが可能です。箔検電器だと,開いてる箔の正負は目で見ても分かりませんが,この「静電気メーター」だとLEDの色で一目瞭然です。
 田中先生の実践は以前から知っていたのですが,今回直接教えを乞うて この装置をマネして作ったのでご紹介します。

 とは言っても,田中先生が使っている電子部品はディスコンのものがあったり,チップ抵抗みたいな極小サイズのMOSFETだったりで,そのままマネして作るのは大変そうでした。
でも,「MOSFETのG(ゲート)を静電気の正または負の電位で開いてD(ドレイン)とS(ソース)のスイッチを入れる」という原理が分かったので,ネットの力も借りながらこんな回路をでっちあげて試してみました。
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 こんなのでも,ちゃんと静電気の正負が分かりますが,トランジスタを入れてちょっとだけ高感度にしたのがコレ↓
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ユニバーサル基板上に部品を適当に配置してこんな形になりました(左のが高感度型)。
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 さらにLEDを正・負 各5個並べたものは,この方の作例をマネて,こんな回路で2台作ってみました。(パーツはすべて秋月電子通商で手に入ります)
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 では,動画をご覧ください。
(1) 静電気メーターで帯電列を作ろう
(2) ストローを紙袋から引き抜くと,紙袋は正に,ストローは負に帯電する。正負は等量。
(3) 静電誘導の実験
(4) 光電効果の実験(紫外線灯はハンディーパーソナル除菌ライトMEH-65 です。

 

  

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2023年4月29日 (土)

30年前にPC-9801で作った縦波の横波表示アニメ

 前回に続いて,30年前にPC-9801で作った高校物理教育用アニメーションをご紹介します。

 高校物理の教科書には必ず「縦波の横波表示」という学習項目があって,媒質の振動方向と波の進行方向が同じ波(縦波)を媒質の振動方向と波の進行方向が垂直な波(横波)に描き直す作業を行います。
 縦波を横波に描き直すとき,多くの場合 媒質の右への変位を上への変位へ,左への変位を下への変位に変換します。そういう図が教科書に描かれているのですが,止まった絵だとどうもピンときません。そこで,パソコンの力を借りて動かしてみよう,ということです。

 まずは,静止していた媒質の左端が単振動を始めて,時間が1.5周期 経過するまで(波が1.5波長進むまで)のアニメーションです。 
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 続いて,連続的な縦波の正弦波を横波表示したものです。横波表示された波形で「どこが密で,どこが疎なのか」を確認するためにときどき「手動」で動画を止めています。ご了承ください。
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 今どきのパソコンを使えば,この程度のものは簡単に作れるのでしょうが,30年前にこのクオリティのアニメーションを作って授業で使ってたってのが凄いことなんですよ(ドヤ顔) w

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2023年4月23日 (日)

30年前にPC-9801で作った気柱共鳴アニメーション

 僕は授業でパソコンを使うことはほとんどないのですが,「気柱が共鳴してるとき,空気はどう動いているのか」なんてことはパソコンでアニメーションを作って見せるしかありません。もちろん,本物の気柱共鳴実験装置に振動してる音叉を近づけたりする実験はやるんだけど,空気がどう動いてるかなんて見えないですからね。

気柱共鳴のアニメーション(縦波表示と横波表示)
 今から30年くらい前PC-9801RXのN88-日本語BASIC (MS-DOS版)で作った気柱共鳴アニメーションをご紹介します。
現在と比較したら想像もできないくらい低スペックなパソコンでなめらかに動くアニメーションをつくるのは大変なことです。計算も描画も遅くて,そのままでは使い物になりませんが,もっさり描いた9枚の絵をビデオメモリに格納しておいて画面を切り替えればなめらかに動いて見えるようになります。パラパラマンガの原理ですね。
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 3倍振動の定常波のアニメーションですが、上段が教科書によく描いてある横波表示のもので,下段が縦波(疎密波)表示したものです。アニメーションを見ると定常波の節で空気の疎密変化(気圧変化)が最も大きいことがよく分かります。「定常波の節で音が最も大きく聞こえる」というのも納得!でしょう。

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 これが5倍振動です。隣り合う節が交互に疎密を繰り返すのが分かってなかなか愉快です。
30年前は教室にでかいデスクトップのPC-9801を持って行ってこの動画を生徒に見せてました。今だったら「パソコンが表示する動画をキャプチャしてファイルに落とし,タブレットで見せる」ところですが,当時のパソコンでは動画キャプチャする方法がなかったので,手軽に持ち歩くためにはディスプレイの前にビデオカメラを置いて画面を撮影(!)してビデオテープにするしかありませんでした。信じられないかもしれませんが,本当の話ですw 画像がボケているのはそういう理由からです。

 VHSのビデオテープデッキが学校からも廃棄されてしまった15年くらい前にビデオテープからDVDに落として使ってたのですが,7年くらい前にMOVファイルに変換してからはiPadで見せるようになりました。で,つい先日 動画編集のワザを覚えたので,こうしてブログやYouTubeのネタにしているというわけです。
画像はボケてても内容的には今でも通用する優れた教材だと自負しています。どうでしょうかね(^^)

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2023年4月 7日 (金)

ドライアイス不要の霧箱 (3)

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 ペルチェ素子を使った霧箱を作って放射線の飛跡を見てみましょう。
以前,ドライアイス不要の霧箱(1)ドライアイス不要の霧箱(2)という記事を書きましたが,今回はその第3弾で,ペルチェ素子を1枚しか使わないシンプルな構造ですが,放射線の飛跡はしっかり観察できます。初めて作るならこれがカンタンかもしれません。

 まずは,ダイソーの「コレクションケース」を使ってクラウドチェンバを作ります。
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 ケースの黒い台に四角い穴を空けて裏からアルミ板を貼り,表面を黒く塗装します。アルミ板の接着には以前やったように UVレジンを使っています。
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 裏返して,アルミ板にペルチェ素子(40mm×40mm)を貼り付けます。サンハヤトの放熱用両面テープを使いましたが,放熱用シリコングリスの方が良いかもしれません。
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 加工した台を大型のシートシンクに放熱用両面テープで固定します。このヒートシンクは名古屋大須のジャンクパーツ屋で780円で買ったのですが,これを手に入れたから今回の工作を思いついたのです。
放熱用両面テープで大丈夫ですが,放熱効果を上げたかったら 放熱用シリコングリスを使うと良いでしょう(台をヒートシンクに固定するために台とヒートシンクに穴を空けてビス留めする必要があるので面倒ですが)。
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 書き忘れてました。ペルチェ素子がヒートシンクに密着するように台のスカート部分は切り落としてあります。
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ヒートシンクを氷水に浸けて,ペルチェ素子に12Vをかけてやると,霧箱内のアルミ板表面は-30℃くらいまで下がります。電源は以前紹介したようにパソコンのATX電源(ハードオフで500円で買いました)を使っています。
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動画をご覧ください ↓

 

  

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2023年3月27日 (月)

ヘロンの噴水


 今さらですが,ヘロンの噴水を3種類作ってみました。
一番左のは百均のセリアで買ったクリアケース(コレ3個とコレ1個)で作った最もスタンダードな形で噴水が最後まで長く続きます。
 右2つはYouTubeで見かけたタイプ(コレとかコレ)で,「え,こんなのでいいの?」と思って作ってみたら,やっぱり噴水が途中で止まっちゃってダメです。
これを作ったYouTuberは噴水が途中で止まっちゃうのを隠してるからちょっとズルイですなあw
何を言ってるのか分からないかもしれないからとりあえず上のサムネイルをクリックして動画をご覧ください。

まず,一番左のやつですが,噴水が出ているときの写真がこれ ↓ です。
水槽AとCがパイプでつながっています。BとCも同様です。BとCの間にあるケースはパイプを通してあるだけです(水槽A,Bを高い位置に上げるためにあります)。
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水槽BとCをつなぐパイプ(上写真の一番左のパイプ)がなかったとしたら,水槽C内の空気の圧力Pと,水槽B内の空気の圧力PBは,
C=P0+ρgh1
B=P0+ρgh2 となります。

ここで水槽BとCをパイプでつなぐとどうなるでしょうか。
C  > PB ですから,Cの水槽内の空気がBへ押し上げられ,B内の水が真ん中のパイプを通って上へ噴出することになります。
これは,h1 > h2 である間は続きますから,結局のところ水槽Bの水が無くなるまで水は噴出し続けることになります。言い方を変えると,もし h1 = h2 となったら,その時点で噴水は止まってしまうことになります。

 それが,右2つのタイプのモノです。次の写真は噴水が途中で止まった時のもので,いずれも h1 = h2 となっています。
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  ヘロンの噴水は,高校1~2年生あたりで履修する「物理基礎」の教材として,良さげな感じがしますね(^^)

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2023年3月23日 (木)

反重力? テンセグリティ (Tensegrity)

まずは下の写真をご覧ください。(クリックすると拡大表示されます)

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 ちょっと見ると,宙に浮いてるように見えませんか?
こういうモノをテンセグリティ(Tensegrity)というんだそうです。テンション(tension:張力)とインテグリティ(integrity:統合)という言葉から作られた造語で,張力のつり合いによって構造が安定する構造システムを指すんだそうです。

 これを知ったのは,AliExpressで科学おもちゃを探してるときにこんなものを見つけたからでした。
「これは面白そう(^^)」と思ってさっそく購入。レゴブロックみたいに組み立てる玩具ですが,なかなかよくできています。(下の写真 左)
「これくらい簡単に作れるよなあ」と思って段ボールとタコ糸で作ってみました。(下の写真 右)
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 ネット検索してみると,いろんな作例が見つかったので マネして材木を使って少し大きいものを作ってみたのが最初の写真です。天板をつけるとテーブル代わりにすることもできて愉快です。
もちろんこれは「反重力」などというシロモノではなくて,高校物理の「剛体のつりあい」学習に最適な教材と言えるでしょう。
下の図をご覧ください。
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力のつりあいの式は,mg+T2=T1

力のモーメントのつりあいの式は,L1×mg=L2×T2 となってるんですね。
【注】本当は重心Gは図に示した点の真下の「空中に」ありますが,つまらない質問をしてくる人がいそうなので,物体内に描きましたw

動画もご覧ください。(ShotCutという動画編集ソフトを初めて使ってみました)

  

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2022年7月 4日 (月)

蒸気エンジン (首振り式)

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 YouTubeの動画先達の作例を参考にして、首振り式のスチームエンジンを作ってみました。
材料はホームセンターで手に入るものばかりですから,関心のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
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 シリンダーは直径12mm (内径10mm)のアルミパイプで,片側を薄いアルミ板で封じ,幅10mmのアルミ板に接着しました。本来ここはロウづけ(ハンダづけ)すべきところでしょうが,僕には融点の低いアルミニウムをロウ付けする技術がないので J-B Weld というエポキシ接着剤を使いました。この接着剤はスゴくて,なんと287℃の高温まで耐えられるんだそうです。
シリンダーを接着したアルミ板には、給排気用の穴と本体にぶら下げるためのビス穴を空けておきます。

 ピストンは直径10mmのアルミ棒を長さ15mmくらいに切って浅い穴を空け,直径4mmのコンロッド用アルミパイプを差し込んで接着します。アルミパイプの反対側は万力でつぶしてクランクアームに引っ掛けるための穴を空けます。

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本体には,給排気用に穴2つとシリンダーをぶら下げるビス穴を空けます。
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裏側はこんな具合です。フライホイールはパーツ箱にあったボリウムつまみを2つ使いました。
プーリーをつけて輪ゴムで太陽電池モーターにつないで発電をしようと思ったのですが,トルクが足らなくてうまくいきませんでした(汗)

では,動画をご覧ください ↓

 

  

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