コッククロフト・ウォルトンの回路
拙著「高校物理雑記帳
」のフォロー記事を書きます。
これは,FUJIの使い切りカメラ基板を使ったコッククロフト・ウォルトンの回路です。
本で紹介したのは,コンデンサを4個使ったものでしたが,これは16個も使ってありますからスタンガン並にDC10,000Vの高電圧を作り出すことができます。
コンデンサは耐圧4kVの1000pFセラミックコンデンサ,ダイオードは1N4007という耐圧1kVの整流用のもので,いずれも秋月電子通商で安価に手に入れることができます。 まず,使い切りカメラを分解して,基板を取り出します。電解コンデンサに電気量が残っている場合がありますから,注意してください。ドライバーの先でコンデンサの足をショートさせて,放電させるとよいでしょう。
電解コンデンサとキセノン管は使いませんから,基板から取り外します。この写真に示した場所に3Vの電源を繋ぐと,ダイオードのところから交流650Vを取り出せますから,これを利用します。基板を裏から見た写真がこれです。
AとBは充電用スイッチのランドで,これはスズメッキ線等でショート配線しておきます。トリガスイッチの部分も要りませんからニッパで切り取ります。
ずいぶん以前に手に入れた基板ですから,現在の製品とは基板が少し異なっているかもしれませんが,この写真と比較しながらテスターを当てて調べれば,きっと分かると思います。 ダイオードとコンデンサで作ったコッククロフト・ウォルトンの回路の作り方は,本に書いた通りです。分からない人は本を買ってくださいね(笑)
10,000Vと言っても,電流は少ないので感電しても命を落とすようなことはないと思いますが,やはりケースに入れておきましょう。僕は百均で買ったプラ製の筆箱に入れてみました。
高電圧が必要な実験にコレがあるとなかなか便利ですよ。くれぐれも悪用しないでくださいね(笑)
この回路を使って,フランクリンモーターやムーアのモーターを回すこともできます。こちらをごらんください。
コッククロフト・ウォルトンの回路でどうして昇圧できるのか知りたい人は,2011年度の東京大学の物理の入試問題を解いてみるといいと思います。これはなかなか良くできた問題ですよ。
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