空回りするモーターには電流が流れない
高校物理ではおなじみの問題ですが,上図のような装置(リニアモーター)に電池で電流を流すと金属棒に電池と逆向きの誘導起電力vblが生じて,回路に流れる電流がゼロになり,金属棒は等速vでレール上を滑ります。(電池の起電力をEとすると,E=vblとなるまで加速→電流ゼロ→金属棒が磁場から受ける力F=iblがゼロ→vで等速運動)
で,これを生徒に見せてやろうと思って,太陽電池用モーター(内部抵抗が小さいからこの実験にオススメ)に電池と豆電球を直列につないだ回路を作りました。(科教協ではよく知られた実験ですが)
モーターの回転が上がるにつれて,豆電球が暗くなって,ほとんど消えてしまうのがよく分かります。→動画 モーターのプロペラを指で触って負荷をかけてやると,電球が明るさを増します(電流が増える)。この電流が仕事をしているのです。
「『モーターは発電機にもなる』なんてよく言われるけど,モーターとして動いてるときにも発電してるんだよ。だから,空回りしてるとき(仕事をしないとき)は,電流は流れてないんだ。電池も消耗しないんだね」
と説明したら,生徒は不思議そうな顔をしてました(笑)
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