池田香代子さんの講演を聴いてきた
昨日,「5・3憲法記念日 岐阜県民のつどい」っていう集会に参加し,池田香代子さん(ドイツ文学翻訳家・口承文芸研究家)の「世界がもし100人の村だったら」と題された講演を聞いてきました。
演題にもなっている「世界がもし100人の村だったら」や「やさしい言葉で日本国憲法」で有名なかたですが,僕が初めて買った本は都市伝説(現代伝説)のアンソロジー「ピアスの白い糸」や「走るお婆さん」で,むしろそっち方面で注目してた人でした。一般には知られていませんが(笑),僕はコアな都市伝説マニアで民俗学にも深い関心を寄せています。特に岐阜発の都市伝説「口裂け女」についてはちょっとうるさいのだ。(聞きたくないですか,そうですか)
ですから,その池田香代子さんが「世界がもし100人の村だったら」を書いて話題になったとき,ちょっと意外な感じがしたのですが,そのあたりの話も聴けるのかなと期待してこの集会に参加したのです。
池田さんはeメールで広がったこの作品(?)を「これは現代民話だ」と感じたんだそうです。確かにeメールで微妙に変容しながら人から人へ伝わるハナシは「口承文芸」ですよね~(^-^)
その後,「100人村」を音楽で表現したいという人が現れ,CD化されたのですが,その1曲目が「イマジン」だったんだそうです。それを聞いたある人が「これって日本国憲法じゃん」って言ったり,「うちの本棚では『100人村』を憲法の隣に並べてます」なんてメールをもらったのがきっかけで作ったのが「やさしい言葉で日本国憲法」。へ~,なるほどねー。
池田さんは英文の日本国憲法を新訳するにあたって,相当に勉強されたようです。
面白かったのは,
「『押しつけ憲法だ』なんて批判がありますが,それはまったく的はずれです。GHQは日本国憲法を作るに当たって鈴木安蔵さんの憲法研究会が1945年12月に発表した憲法試案「憲法草案要綱」を下敷きにしたんです。いま,国立国会図書館のホームページで紹介されてますからぜひ見てみてください。永田町の政治家も,すぐ裏にある国会図書館で勉強してきてもらいたいですね」
って話。
リンク先を見てもらえば分かりますが,確かにこれは「オリジナル原案」といってよいものです。そうか,そうだったんだ。
ユーモアあふれる楽しい講演でしたがここに全部を採録するわけにもいかないので,ちょっと探してみたら見つかりました。ココとかココに書いてあるようなことが講演で話されました。ぜひ読んでみてください。
そうそう,池田さんの言葉で特に印象に残ったものを紹介しておきます。
私たちは微力ではあるが無力ではない
これはいいですね。どっかで使ってやろっと(・∀・)
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コメント
コメントありがとうございます。こちらではトラックバックに手を加えるようなことはしていないつもりですが、一度調べてみます。
ところで、ボクはロビーでうろうろしたりしていて全部は聞いていないのですが、13条「個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重」と結びつけた平和論の話がいちばん印象に残りました。いかにも文学をやってきた人の感性で考えついたら、学問的にも検証されているという下り。誰に習ってここに至ったというよりも、自分自身の感性で感じ、「100人村」のヒットで深く考え、ここに至った・・・・といった話の流れ、良かったですね。
後も少しつきあわせてもらったのですが、とってもパワフルな方だという印象をより強く持ちました。
・・・・ 実は、今は別件でPCに向かっているのですが、ボクの5月3日については今日中にブログに書き込むつもりです。またその時、こちらからのトラックバックにもチャレンジしてみます。
投稿: くにえだ | 2006年5月 4日 (木) 11:33